位置決めステージは高い精度を維持しつつ高速で作業を行えるようにするものですが、温度や振動によって位置決めの制度がずれてしまうことがあります。ここでは、温度や振動による影響とその対策について解説します。
位置決めステージの精度は温度環境の影響を受けます。温度変化によって機械の材料が熱膨張・収縮することで寸法の誤差が生じ、位置ずれが起こってしまうためです。標準温度である20℃で測定した場合と比較すると、20℃から離れるほど位置決め精度が悪化したとする調査結果があります※。その研究では温度環境が8℃変わると800㎜の送り指令値に対して約0.1㎜ずれが生じました。また、当日や前日の気温によって位置決め精度が異なることも分かっています。
※参照元:長野県工技センター研報|工作機械の位置決め精度と温度環境の関係
(https://www.gitc.pref.nagano.lg.jp/reports/pdf/H18/02Seimitsu/H18P13_46-47.pdf)
より高い精度の加工を行うためには、室温を一定に保つことが重要です。空調で温湿度管理を行い日射や空調の風向き、隣接機械の排熱などに注意します。
また、素材自体が熱膨張を起こす可能性があるため、切削中に熱膨張を起こさないよう冷却(クーラント使用)など熱管理を行う必要があります。
超精密の位置決めステージにもなると、nm単位での微小な振動でもブレやズレの原因となり、測定に影響を及ぼす恐れがあります。加工精度が低下することもあるため、装置やセンサーの設置位置を工夫する、制御ゲインを調整する、周囲に振動原となるものを置かない、または振動を遮断・吸収するようなものを設置するなどの対策が効果的です。
振動は機械の部品がゆるんでいたり異物が付着していたりすることでも起こるため、定期的なメンテナンスと合わせて行うようにしましょう。
位置決めステージは湿度や粉塵によっても精度に影響が出る恐れがあります。
制御を安定させ機器の信頼性を維持するためにも、湿度の管理や粉塵が入り込まないクリーンな環境での作業が求められます。高い精度を求める際は、より注意し、装置周辺の断熱処理を行う、クリーンルーム化することも検討しましょう。
位置決めステージは高い精度が求められますが、温度や湿度、振動などの環境要因の影響を受け精度が低下する恐れがあります。位置決め精度を維持、向上させるためにも、温度、湿度変化が起こらないようにすること、粉塵が入り込まないようクリーンルームで作業するなど対策を検討しましょう。
位置決めステージを動作範囲の小さい順に並べると、ピエゾステージ・ステッピングモータステージ・リニアモータステージの3種類に大きく分類できます。充実したラインナップから選べて、いざというときはカスタム開発もできるおすすめメーカーをご紹介しているので、依頼先選びの参考にしてみてください。
引用:フィジックス テクノロジー公式サイト
(https://physix-tech.com/index.html)
引用:コムス公式サイト
(https://www.coms-corp.co.jp/)
引用:日本トムソン公式サイト
(https://www.ikont.co.jp/)