位置決めステージの直線性は、測定器の性能を示すための指標となるものです。直線性は直線軌道の精度を示すものですから、加工精度や測定精度を判断する上で非常に重要なものとなります。ここでは、直線性について測定方法や評価方法、精度向上のポイントなどについて解説します。
位置決めステージにおいて直線性とは、そのステージの直線軌道の精度を意味するものです。理想値と実際の測定結果がどのくらい違うかによって、精度を判断します。
直線性は±○○% of F.S. で規定されます。±0.02% of F.S.の場合、測定範囲が±3㎜でF.S.= 6mmだと直線性は0.02% × 6mm = ±1.2μmとなります。直線性が小さければ小さいほど、精度の高い測定器であると言えます。
理想直線との誤差である非線形誤差は、ガイド機構の摩耗や異物の付着、温度変化による熱変異、軸の変形などにより起こります。
位置決め精度の検査は、直線軸に対して位置決めを行い、目標位置からのずれを計測して評価値を算出することになります。複数の測定点で5回、7回など繰り返し測定し、各直線移動軸の偏差を算出します。
測定方法にはレーザ干渉位置計測システム(レーザ測長器)などを用います。レーザ干渉位置計測システム(レーザ測長器)の場合、直線移動軸の基準位置から移動量を測定します。検査を行うときは標準温度である20℃±1℃の範囲内で行うことが重要となっており、測定環境の温度を保たなければいけません。
位置決め誤差がない場合は偏差が0となりますが、ずれがあると偏差が大きくなります。もっとも目標位置からずれた距離が最大誤差(最大偏差)となり、直線性を評価する基準の1つとなります。
また、ステージが移動する際に生じる誤差の累積も評価基準の1つとなります。直線性を表示する際には、グラフに測定結果をプロットするグラフ表示と、位置決めや偏差、繰り返し性などを数値で示す数値表示の2種類があります。
位置決め精度を判断するための検査はISO 230-2、JIS B 6192の規格を準拠しなければいけません。
直線性は、温度による機器や部品の熱膨張や収縮、湿度や粉塵などによる環境によって影響を受けます。ガイド機構が摩耗することも精度に関わるため、定期的にメンテナンスを行うことが大切です。
熱による変形を起こさないために冷却機構を導入する、隣接する機器の排泄熱に気を付ける、リード精度の高いボールねじを導入する、プリテンションの導入により遊びをなくしバックラッシュを低減する、などが対策となるでしょう。
また、誤差を自動で補正するための補正パラメータを計算し、制御プログラムに打ち込むなど、誤差補正技術を活用することも有効な対策です。
位置決めステージの直線性は、適切な仕様選定の参考として活用することができます。
また、正確で直線性の高い位置決めステージは、ワークの正確な位置決めが求められる分野で活用されています。
位置決めステージの直線性は、理想とする直線軌道と実際の軌道の誤差の最大値で示されます。この値が小さいほど精度が高くなり、より高い精度が求められる製造や検査で活用されます。
直線性の測定は、温度や湿度などの環境要因にも影響します。機器の使用環境を見直したり、周囲の影響を受けないようにすること、メンテナンスを行い機器の不具合を起こさないようにすることが重要です。
以下のページでは、温度や振動が位置決め精度に与える影響について解説しています。あわせて参考にしてください。
位置決めステージを動作範囲の小さい順に並べると、ピエゾステージ・ステッピングモータステージ・リニアモータステージの3種類に大きく分類できます。充実したラインナップから選べて、いざというときはカスタム開発もできるおすすめメーカーをご紹介しているので、依頼先選びの参考にしてみてください。
引用:フィジックス テクノロジー公式サイト
(https://physix-tech.com/index.html)
引用:コムス公式サイト
(https://www.coms-corp.co.jp/)
引用:日本トムソン公式サイト
(https://www.ikont.co.jp/)